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漕ぎ出す棺。

散ることを忘れた薔薇を粉々に砕く夕陽のあかを濃くする


けものにはなれぬ長さの爪を持ちやさしいひとと切り捨てられる


明け方の星座をゆびでなぞるとき誰かが棄てたオルゴールは鳴り


街中に断定的な文節が差し込む音のない雨のなか


霜月があふれる棺さようならさえも云わずに漕ぎ出す棺


かくれんぼ置き去りのまま十二月少女のかたちの氷を結ぶ


シンジテルシンジテルって携帯が囀りはじめ今朝は亡骸


灰色の羽毛だらけの憂鬱がサワラナイデとパン皿の上


雨音がきこえる窓のない部屋で罰せられない罪に埋もれる


喉元にくちづけたはずやわらかな葉脈ひとでなくなるあした
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by nnote | 2009-11-13 17:54 | 日日雑記
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