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とうめいな瘡蓋。

ぽろぽろとこぼれることば来年の春にはしろいはながひらくよ


父と見た花火は遠くアスファルトからから回る残り火散らす


明け方の夢が現実かもしれず陽に透けてゆく私の輪郭


電線が埋め尽くす空その下で種撒くようにつぶやく詩篇


蒼穹のしみとして在る烏の死わたしのうたがうたいたいだけ


雨のなか崩れゆく薔薇自負という黒い塊曝されている


刻刻と朽ちゆくいのち不揃いな河原の風にすすきと眠る


繰り返す夏の終わりを告げる歌掛けっ放しのワンピースゆれ


いくつかの言葉を浮かべ沸点に届いた水を空へ還す日


「ついてきてくれますか」というひらがなを永遠のまま残す携帯


とうめいな瘡蓋はがすセロファンのアドレス過去が少し溢れる


さよならの木の葉いちまい舞い込んだ架空の部屋のテーブルの上
by nnote | 2009-11-12 11:01 | 日日雑記
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